24インチファニーコラムカット&フォークセットアップ

 
前回ヘッド小物の圧入が終わったので今日はフォークの組み付けをして行きます。
元々このフレームに付いていたフォークの程度が悪く困っていたのですが、、、。
この24インチのフロントフォーク、どこから探してきたのでしょう。ただ、フレームの短いヘッドチューブに合わせるのでコラムのカットも必要です。
先ずはコラムの長さを決める為に仮組みします。
上下にリテーナーベアリングを収めて上玉押しをねじ込みます。


通常は舌付きワッシャー、ロックナットの順に組み付けするのですが、ヘッドチューブが短い為にワッシャーの舌が収まるスリットが上玉押しが収まる所まで切られていません。舌付きワッシャーはヘッド小物の調整をする際に、ワンとロックナットの干渉を止める便利物なのですが、このままでは舌の部分が真円から出ベソのようにはみ出ていてコラムに通す事が出来きません。舌を削り取ってしまいましょう。

写真下の舌と言うより出ベソの部分を削り取ります。


こんな感じに削り取りました。これで真円になったのでスリットの無いコラムに入ります。

無事に収まりました。

次にロックナットの雌ネジ切りされている部分の寸法を測ります。
ワン、ワッシャーを入れてコラムの雄ネジ部分がこのロックナットの雌ネジの切られている寸法と同じまたは、若干(コンマ5ミリ)短くなるように調整します。

ネジ部分は5ミリです。

コラムの雄ネジ部分に5ミリを測って印を付けます。

雄ネジ部分は印がつきにくいので前もってチョークを塗り、印が付きやすいようにしました。

印を付けた部分にマスキングテープを張りカットします。

万力にセットして金ノコで一気に切り上げます。

こんな感じに切れました。次にロックナットが上手くねじ込みできる様にヤスリで仕上げます。


ステムがスムースに入るように内側のバリも取ります。

こんな感じに仕上がりました。

仮付けしてみます。上玉押し、ロックナットを一杯締めこんでワン、ワッシャーロックナットがちゃんと干渉しているか確認します。コラムの雄ネジ部分がロックナットの雌ネジの長さ又は若干短く切られてないとワン、ワッシャー、ロックナットが干渉しないのでちゃんとしたした調整が出来ません。ココがポイントです。

仮組に問題が無ければベアリングにグリースを付けて本組みします。
調整には2本の32ミリスパナを使います。写真上のヘッドスパナはパークツールの物、これヘッドスパナのキングです。厚みがあってロックナットを傷つけず確実に締め付けます。もう一本は玉押し用に薄いスパナ、これらのスパナは共に8角です。グリースはベアリング用化学合成グリース。

クラウンレース、上ワン、上下玉押しに薄くグリースを塗ります。注意!写真で見えやすいように多めにグリースを使いましたが、、、。ちょっと多すぎた。もう少しうすーく塗りましょう。

コラム、コラムネジ部分も忘れずにグリースを塗ります。これはネジのカジリ、錆の防止に役立ちます。




グリースはこんな感じで薄く塗り伸ばす感じです。



続いてリテーナーベアリングにグリスを詰めます。ベアリングの球が少し頭を出している程度に。



さぁー組み付けていきます。

先ずはクラウンレースにベアリングリテーナーを納めます。


ヘッドチューブにコラムを差し込み、上ワンにリテーナーベアリングを納めます。

上玉押しをねじ込みます。

ワッシャーを入れてロックナットをねじ込みます。

二本のスパナを上玉押し、ロックナットに掛けます。先ずは左手のスパナで玉押しを締めて(時計回り)ベアリングの玉あたりを調整します。ベアリングに負荷が掛かり過ぎず、ガタが無い所を探します。
ガタが出る一歩手前の一番スムースに回転する所に調整できたら玉押しが動かないように右手のスパナでロックナットを締め付けます。一度スパナを外してフォークを回してガタが無く、スムーズに回るようであれば本締め(右手のスパナでロックナットを締めながら左手のスパナで上玉押しを固定又は少し反時計回りにまわして二つのナットをロックさせます。

ベアリングに負荷が掛かり過ぎず、ガタの無い一番スムーズに回る所を探してください。ハブ、BBの調整と同様にちょっとしたコツが必要です。上手くこつを掴むまで回数を重ねてやってみてください。

次回からは部品の取り付け作業をしていく予定です。

特選、街道レーサーのお手本。海外の自転車ブログから)
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ヤバイ、zerogravityのブレーキキャリパーが付いてる。これ欲しい。
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では又、ちょくちょくブログのチェックしてください。
dk

24インチファニーバイク組み付け準備ヘッドセット圧入編

 
作業内容が小出しになってしまいますが完成まで付き合いたのみます。

今日はヘッド小物の組み付け(圧入)です。 作業には写真の専用工具を使います。使用するヘッド小物は丹下(tange)レビン、軽合金製のクラッシックなタイプです。

写真上段右が上ワン、上段中央が下ワンになります。

この部品のサイズ規格はスタンダード イタリアン(ISO)用の物で、ヘッドチューブの内径が29.9から30.1ミリで作られているのに対してワンの外径30.2ミリ、この寸法の差でしっかりとワンが固定されます。JIS規格のワンは外径30ミリ、チューブ内径は29.75から29.95ミリです。

上下のワン、ヘッドチューブにさび止め、固着防止を兼ねてグリスを薄く塗ります。

結構な力がかかるのでフレームがしっかりと固定されているか確認します。

先ずは上ワンの圧入です。ヘッドチューブの先端とワンが垂直に収まっているか確認します。

ワンが垂直に収まっていく事を確認しながら力をかけてレバーに力をかけてまわします。

下ワンも同じように作業します。尚、下ワンにはメーカーのロゴ等がプリント、刻印されているので好みの向きに合わせて圧入します。

これで完成。上下のワンが面取りしたチューブにきっちり収まっているか再度確認します。

次回はヘッド小物調整、コラムカットの作業をお見せします。
dk

チェーンオイル

 本日のお題はチェーンオイル。僕のお気に入りのオイルをお教えします。

チャリのチェーンにどんなオイルを注せば良いか、巷には色んなオイルが存在します。
最もポピュラーな潤滑オイルでTVのCMでもお馴染みのCRC 5-56とか、たいがいの自転車屋にラインナップされてる注すだけでテフロンが金属に永久に付着する物、注すと直ぐに乾いて汚れが付かずに衣服も汚さないドライタイプ等々、、、。でもこれらの大半が”嘘じゃないかなって”思ってしまいます
何も注さずにチャリに乗っているよりは全然良いと思うのですが、CRCは水の如くさらさらで直ぐに潤滑機能は無くなり乾いてしまうし、すばらしい効能ばかりをうたい文句にする様な、そこらのお店で売っているオイルに魔法の様な効果はありません。
皆さん、それぞれに好みはあると思うのですが、僕の好きな点眼タイプ(一滴、一滴注すタイプ)のオイルを紹介します。
TRI-FLOW SUPERIOR LUBRICANT
リーズナブルな価格の割にそこそこの性能、新しいテフロン技術を取り入れた粘度が低くサラサラのアメリカ製オイル。
VIPROS MUON
潤滑(極圧)添加剤を配合した高性能オイル。自転車チェーンに使用する事を前提に飛び散り対策なのか高粘度に作られています。高粘度にもかかわらず、注した直後からチェーン、ギアをスムースに潤滑します。 この価格帯で市販されているオイルでは最高の品質ではないでしょうか。
BORED BLOODY SYNTHETIC LUBRICANT
これが一番のお気に入りで
回転性、極圧性、潤滑性、粘度、全てを満たしたオイル。
チェーン以外にベアリング、ワイヤー、ボルト、ナットの組み付け等、全ての金属にマルチで使用可能です。BOREDのこだわりから生まれた傑作。
実際に僕も使用中で、僅か小量でチェーンが濡れた感じを持続していると言うか、異様な光沢を放つ感じ。そんで飛び散りなし、不思議です。

ちょっと見ずらいかもしれませんが、粘度ってなんなんだろう?ってことでこんな事をやってみました。粘度はこんな簡単な基準で決めてはならない知れませんが、左からCRC,tr-
flow,Bored,viprosの順にステンレスのトレイに数滴たらしてどのように流れるかテストしました。

約15秒でこんな結果です。流れが遅い物が高粘度。低粘度、浸透力を売りにするCRCはさすがに速く流れる。続いてtri-flow,ほぼ同じ感じでBORED,vipros。
僕の感想は
CRC  この結果や宣伝文句の様に、どこにでも浸透して直ぐに乾燥してしまい、成分が飛び散ってチェーンに残らないのでチャリのチェーンには絶対に×チェーンのリンク内が錆びてしまいそう。

tri-flow  注した直ぐは効果があるがサラサラな感じで乾きが早く、飛び散りが気になる。余りこだわりないなら良いのかな。耐久性に欠ける。持続力は50~60キロが精々なので毎日乗るのなら週一で注さないと効果ないかも。

vipros   高粘度でありながら回転性が良いし耐久性があり飛び散りも少ない。

BORED  viprosと同様な感じは勿論、このテストの後、トレイに垂らしたオイルを拭き取ったが、トレイや手にひつこく匂いやオイルの感触が残る程に強力。耐久性は勿論、高粘度なのに浸透性、回転性もばっちり。

長くなりましたが参考になりましたか?

dk

24インチファニー組み付け準備の続き。

 

今日は引き続き下準備の作業、クラウンレース(下玉押し)の打ち込みをお見せします。フォークとフレームに繋ぐ大事な部分の作業です。
先ずは24インチのフォークとクラウンレース、時計回りでハンマー、クラウンレース圧入器、フェーシングカッター。
H君、自前でホワイトからブラックにペイント。クラウン部分にも余計な塗料が付いてます。
レースがちゃんと圧入できるように面を切削します。
フェーシングカッターをコラムを刺して回転させます。
きれいにペイントが取れ面も滑らかになりました。
次はフェーシングしたクラウン、クラウンレースに錆び止めのグリースを塗ります。
このフォークはイタリアン(ISO)規格です。レースの内径26.4ミリフォークコラム下部分の外径は0.1程大きく切削されています。0.1ミリの寸法の違いがレースをしっかり止めています。因に、JIS規格はレース内径27.0、コラム外径は同じく0.1ミリ程大きく切削されています。パーツを変えたい時に自分の自転車の規格を知りたい時はここの大きさを測ると良いです
次にレースに合う圧入器のアダプターを選びます。
左のブラックの3型はスタンダード径、ブルーの3型はオーバーサイズ径。このフォークはスタンダードサイズです。先の細い物がフィットしました。
コラムにクラウンレース、アダプター、打ち込みパイプの順にを差し込みレースを水平に打ち込み出来るようにします。
ハンマーで叩いて打ち込みします。
圧入完成です。レースとクラウンの面が水平に圧着しているか確認します。
この部分の精度をきっちり出して初めてスムースなハンドリングが可能です。
次回はヘッド小物の取り付け、コラムカットの作業をお見せします。
dk
今日の街道レーサー

RESISTANT PEDAL STRAPをMT-LITEペダルへの装着

今回はプラペダルではなく、スチールのゲージ式ペダルに装着します。
推奨はMKSのMT-LITE

このペダル実は昔からある型番で、目立たない存在の為知らない方も多いと思います。
改めて紹介しますと、その昔ビンディングペダルが無かった頃、一線で活躍していた名品です。
細身のフレームに乗っている方や、足の小さい方などプラペダルだと大きすぎると感じている方には小ぶりなので、ベストマッチではないでしょうか。
では早速取り付け開始です!

まず初めに、25mmのハーネスをペンチで二つに折ります。
折り曲げ方向はこんな感じ→ >●<(黒丸はペダルスピンドルです)

こんな感じ。

根元まで、折り曲げておくとその後の作業が格段に楽に行えます。
ちなみにペンチで折り目をつけられる位、硬くて丈夫なハーネスなので
RESISTANTならではの作業工程です。

それでは折り目をつけたハーネスをペダルに通していきます。
最初のポイントは、ハーネスをゲージ部分には通さず、ペダルボディの長穴に通します。

ペダルボディの奥側の長穴に通すには、千枚通しを使って地道に通していきます。
コツは最初に通した長穴部分と奥側の長穴部分を交互に送り出す事です。
(ペダルの穴が小さいのでココは頑張って下さい)
ちなみに素手では不可能です。

奥側が通せたら、外側にあるゲージには通します。
ここまで来たらプライヤーで思い切り引っ張れば楽に通りますが、
折り目がずれないように、引き上げるのがポイントです。

通すとこんな感じです。

ペダルスピンドルとハーネスが干渉しないギリギリの所まで引っ張ります。

山折を平らにして、バックルに通していきます。
ココまで来れば一段落です。

バックルをペダルギリギリの所まで引き寄せる程タイトな装着感になります。

余りのハーネスを切り落とします。
後々の事も考え、ここでは少し余裕をもたせて切ってください。

切断面はライターで炙るとほつれなくなります。

ハーネスを斜めに切ると通しやすく収まりが良いです。

装着完了です!
革の質感と、ペダルの金属感が男心をくすぐります。
特に焼印とか、、、

ペダルストラップに革ver.があるの?と気づいた方、
あなたはスルドイ!!
、、、乞うご期待。
by KMSN